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第14回 【人がオフィス空間をつくる。】 株式会社es 代表取締役 山下智弘
【商業空間とオフィス空間】
私たち株式会社esは、商業空間を作ることを目的に集まったデザイナー集団です。
業務の大半は、飲食店やアミューズメント施設などのデザインですが、最近はオフィスや住空間のデザインの依頼も頂けることが多くなってきました。
今までになかった「オフィス空間にもデザインを」という考え方は、実は非常に身近で大切な事だと思います。
私たちが考えるオフィスデザインについて結論から言わせて頂くと、
「オフィスデザインに飾られた空間はいらない。人(従業員)がオフィス空間をつくる」ということ。
私たちが普段デザインしている、いわゆる「お店」(商業空間)は、様々な人が出入りしていて、そこで様々なサービスを提供します。
そのための空間作りは、居心地の良さであったり人目をひくデザインであったりといった、「非日常性の空間」が求められます。
しかしそこに滞在する時間は多くても2、3時間。
オフィスは違います。
毎日そこにいて、ほぼ一日中過ごすことも少なくありません。
商業空間とオフィス空間は、それだけ用途が違うのですから、それを作り上げる要素も当然違って
きます。
「懐かしく洗練された和」をコンセプトに「人目を惹くデザイン」を施した商業空間
【「公」と「私」という考え方】
オフィス空間には、「公」のスペースと「私」のスペースがあります。
「公」のスペースであるエントランスやレセプションルームは、商業空間と同じ考え方でおおいにデザインすべきです。
ただ「私」のスペースである事務のスペースは、まず使いやすさが優先されます。
一日の大半を過ごす空間。
それを無理に飾り立てる必要はないし、奇をてらったようなカラーリングにする必要もありません。
ただ気をつけなくてはいけないのは、「無理に飾り立てる必要はない」=「従来の考え方、型にはめていく」ということではないということです。
大量生産された事務機器をただ並べて、そこに資料を収納していく。
それが使いやすいのであればそうすべきです。
でもすべてがそうではないはずです。
個々の書類を整理するお気に入りファイルを収める棚は、質感のないスチールの棚よりも、あたたかい木の棚のほうがいいかもしれない。
会議室は無機質なパーテーションで区切られた空間よりも、ガラスで仕切られたオープンな空間のほうがいいかもしれない。
一日の大半を過ごす場所だから、居心地の良い空間にするためには?
こんなことを考えながら作り上げていく必要があります。
そういったある程度の規律の中にある自由・・・。それがオフィスデザインだと思います。
【個性と整然】
プロダクトデザイナーの深沢直人さんが以前、美しいという感覚はこんな感じだと話されていたことがあります。
『工場の手洗い場の蛇口に石けんが一列に並んで下がっている。
それがいつも同じだけ減っていく。』
整然と整理されていて、あるべきものがそこにある。それが従業員の居心地の良さに繋がります。
オフィスにおいて個性、創造性を大切にできる空間は、魅力的だと思います。
ただその中に上記のような整然とされたものがあってこそです。
飾る事に重点をおいたオフィスデザインを取り入れてしまうと、始めの一ヶ月はかっこよく美しくあることはできても、その後は、機能を見失い、無駄となり、乱れてしまう結果になるのです。
それは、当然です。お店とは違いお客様を迎え入れる事を目的としていないのですから、かっこよさばかりを追求する必要はないのです。
スタッフ達、そこで過ごす人たちが快適に業務できるような空間を提供することで、個々のモチベーションがアップする、そして、業務の効率化へとつながることが、オフィスデザインの使命であり、私たちデザイナーの存在理由なのだと考えています。
a.翻訳センター
【翻訳センター】
翻訳センターは翻訳という仕事柄もあり、信頼、清潔といった誠実なイメージにふさわしく、エントランス部分を、フォーマルな配色や無垢のチーク材、ライティングで誠実さとインパクトを兼ねたデザインを施しました。
b.人材派遣
【人材派遣会社】
木の素材を活かして、あたたかみのある入口に。ステンレスで作ったロゴタイプをピンで浮かせ四方から間接照明をあてる事により、立体感を際立たせ、外から見ても目立つ様にしました。
c.オフィス
中央部のRの壁にフランスの本漆喰を使いました。OFFICEへの扉は木とアイアンで製作し、インパクトのあるエントランスに。打ち合わせ室は、床や壁のパネリング材に天然素材を使うことで、温かみのある空間に仕上げました。
私たち株式会社esは、商業空間を作ることを目的に集まったデザイナー集団です。
業務の大半は、飲食店やアミューズメント施設などのデザインですが、最近はオフィスや住空間のデザインの依頼も頂けることが多くなってきました。
今までになかった「オフィス空間にもデザインを」という考え方は、実は非常に身近で大切な事だと思います。
私たちが考えるオフィスデザインについて結論から言わせて頂くと、
「オフィスデザインに飾られた空間はいらない。人(従業員)がオフィス空間をつくる」ということ。
私たちが普段デザインしている、いわゆる「お店」(商業空間)は、様々な人が出入りしていて、そこで様々なサービスを提供します。
そのための空間作りは、居心地の良さであったり人目をひくデザインであったりといった、「非日常性の空間」が求められます。
しかしそこに滞在する時間は多くても2、3時間。
オフィスは違います。
毎日そこにいて、ほぼ一日中過ごすことも少なくありません。
商業空間とオフィス空間は、それだけ用途が違うのですから、それを作り上げる要素も当然違って
きます。
「懐かしく洗練された和」をコンセプトに「人目を惹くデザイン」を施した商業空間
【「公」と「私」という考え方】
オフィス空間には、「公」のスペースと「私」のスペースがあります。
「公」のスペースであるエントランスやレセプションルームは、商業空間と同じ考え方でおおいにデザインすべきです。
ただ「私」のスペースである事務のスペースは、まず使いやすさが優先されます。
一日の大半を過ごす空間。
それを無理に飾り立てる必要はないし、奇をてらったようなカラーリングにする必要もありません。
ただ気をつけなくてはいけないのは、「無理に飾り立てる必要はない」=「従来の考え方、型にはめていく」ということではないということです。
大量生産された事務機器をただ並べて、そこに資料を収納していく。
それが使いやすいのであればそうすべきです。
でもすべてがそうではないはずです。
個々の書類を整理するお気に入りファイルを収める棚は、質感のないスチールの棚よりも、あたたかい木の棚のほうがいいかもしれない。
会議室は無機質なパーテーションで区切られた空間よりも、ガラスで仕切られたオープンな空間のほうがいいかもしれない。
一日の大半を過ごす場所だから、居心地の良い空間にするためには?
こんなことを考えながら作り上げていく必要があります。
そういったある程度の規律の中にある自由・・・。それがオフィスデザインだと思います。
ナチュラルな雰囲気が居心地よいライブラリースペース(不動産会社) | 来客者を迎える受付スペース。受付のスタッフも心地良く使えるよう暖かみある無垢の素材にこだわった天板。 |
【個性と整然】
プロダクトデザイナーの深沢直人さんが以前、美しいという感覚はこんな感じだと話されていたことがあります。
『工場の手洗い場の蛇口に石けんが一列に並んで下がっている。
それがいつも同じだけ減っていく。』
整然と整理されていて、あるべきものがそこにある。それが従業員の居心地の良さに繋がります。
オフィスにおいて個性、創造性を大切にできる空間は、魅力的だと思います。
ただその中に上記のような整然とされたものがあってこそです。
飾る事に重点をおいたオフィスデザインを取り入れてしまうと、始めの一ヶ月はかっこよく美しくあることはできても、その後は、機能を見失い、無駄となり、乱れてしまう結果になるのです。
それは、当然です。お店とは違いお客様を迎え入れる事を目的としていないのですから、かっこよさばかりを追求する必要はないのです。
スタッフ達、そこで過ごす人たちが快適に業務できるような空間を提供することで、個々のモチベーションがアップする、そして、業務の効率化へとつながることが、オフィスデザインの使命であり、私たちデザイナーの存在理由なのだと考えています。
a.翻訳センター
【翻訳センター】
翻訳センターは翻訳という仕事柄もあり、信頼、清潔といった誠実なイメージにふさわしく、エントランス部分を、フォーマルな配色や無垢のチーク材、ライティングで誠実さとインパクトを兼ねたデザインを施しました。
b.人材派遣
【人材派遣会社】
木の素材を活かして、あたたかみのある入口に。ステンレスで作ったロゴタイプをピンで浮かせ四方から間接照明をあてる事により、立体感を際立たせ、外から見ても目立つ様にしました。
c.オフィス
中央部のRの壁にフランスの本漆喰を使いました。OFFICEへの扉は木とアイアンで製作し、インパクトのあるエントランスに。打ち合わせ室は、床や壁のパネリング材に天然素材を使うことで、温かみのある空間に仕上げました。
株式会社es(エス)
住所: 大阪府大阪市西区北堀江3-4-1
電話: 0120-653-421
Fax: 06-6534-4322
URL: http://www.es-pace.jp
事業内容
住宅・店舗のデザイン 設計 工事
上記に付随する家具・什器制作業務
リフォーム・リノベーション・オリジナル家具製作
住所: 大阪府大阪市西区北堀江3-4-1
電話: 0120-653-421
Fax: 06-6534-4322
URL: http://www.es-pace.jp
事業内容
住宅・店舗のデザイン 設計 工事
上記に付随する家具・什器制作業務
リフォーム・リノベーション・オリジナル家具製作
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