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第21回 【人がクリエーション出来る空間へ】 スピック有限会社 高橋 繁
事務所デザイン.COM特集記事【人がクリエーション出来る空間へ】「何か他にないのかなー」
会議室は天井までの簡易パーテションで仕切られ、スペースも狭く、
六人がけのテーブルは満席で、卓上は資料で埋まっている。
窓もなければ、グリーンも無い、時計の音だけが響き、誰も口を開かない、
携帯のバイブがさっきからなりっぱなしで、次の打合せに行かなければならない時間になってしまった。のども乾いたし、おなかも少し減って来た、
そんな中で、新しい発想やアイデアを求められても、、、
と思う事が時々あります。

事務所デザイン.COM特集記事【人がクリエーション出来る空間へ】オフィスとは、一言で言ってしまえば、事業目的を遂行する為に、人が集まる場所。とありますが、事業形態によっては様々なオフィスがあります。
仕事柄、クライアントである企業や、代理店、プロダクション、製作会社といろいろなオフィスで打合せをする機会が多いです。その中のオフィスでも、企業カラーが出ているオフィスや、過ごしやすく快適な環境のスペース、また、無味乾燥とした会議室等、様々ですね。
最近は、企業のセキュリティー等で、ワークスペースにはあまり立ち入れませんが、打合せテーブルひとつとっても、長方形、円形や楕円等があり、相手方と対面になるか、
横側になるか、だけでも、だいぶその場の空気は変わってきます。
事務所デザイン.COM特集記事【人がクリエーション出来る空間へ】個人的には、ゆるくラウンドしている楕円形のテーブルが好きですが、直線的なテーブルだと、どうしても相手方と正面になり、対峙しているような構図になってしまいます。どこか目のやり場に困る事がたまにあるのは自分だけでしょうか。楕円形のテーブルだと、それをさほど感じないのが不思議です。
ラウンドしているテーブルが相手方との接点をやわらかくしているのかもしれません。
窓の有る無しでも、かなり違ってくると思います。空間に光と広がりをもたせ、開放感を創ってくれます。打合せ時に詰まった時など、ちょっと目を向けると、何か新しい発想が出て来たり、別の見方が出来たり、また、グリーンが1本あるだけでも、空間に潤いを与えてくれるのではないでしょうか。

ひとつのアイテムだけでも、その空間に位置し存在する事で、だいぶ雰囲気は変わってきます。

オフィスとしては、個の空間があり、集う場所がある。
これがひとつの理想なのではないでしょうか。
個の空間は、各人のワークスペースとして、パーソナルな空間が必要かと思います。効率の良いレイアウト、PCがあり、資料があり、ちょっとした小物など、各人のカラーが出ていても良いのではと思います。
ただあまり個人のカラーが強いとオフィスの雰囲気も壊しかねがせんが、ある程度セパレートされたスペースですが、空間としては開放感をもたせ、オフィスとしての一体感を創る事が望ましいでしょう。
各人の仕事が出来、個としての考えが出来る場所です。

その空間が個の発想を生む場所であって欲しいです。

事務所デザイン.COM特集記事【人がクリエーション出来る空間へ】集う場所とは、各人の仕事を持ち寄る場として存在するのが、良いのではないでしょうか。みんなでひとつの事を考え、自由に自分の意見が発言でき、アイデアを出し、まとめていく、スペースです。
最近では、ノートPCからスライド投影し、みんなでディスカッションする光景が良く見られます。
また壁一面をホワイトボードにして、その時に出たアイデアを書き込んでいき、これをメディアなどに保存して、議事録としても活用出来ます。
「個の空間で各人が創造し、集う場所でより良いカタチを創る。」
集まる方にもよりますが、みんなが、眉間にしわを寄せて話すのではなく、時には笑いが出る様なミィティングスペースが良いかと思います。
個人的にはある程度の緊張感とリラックス出来る雰囲気の中でのディスカッションが一番良いアイデアが生まれます。

そんなのあたりまえと言われれば、それまでなのですが、
これが一番難しいと自分の中では、思っています。

きれいなカッコ良いオフィスが出来たからといって、仕事がはかどらなければ、何もなりません。限られたスペース、オフィスとして必要なコピーやFAXや機材関係、資料や在庫など、をいかに効率よく使い勝手良くレイアウトするかは、結構難しい問題です。その企業の仕事の進め方や、作業の仕方、などを十分に理解しないと出来ない事だと思っています。

そこに集う人が、生き生きして働ける環境、仕事が楽しくなる空間

「個と集」がうまく融合して、ひとつの空間になる。それがひとつのオフィスとしてのカタチだと考えています。

事務所デザイン.COM特集記事【人がクリエーション出来る空間へ】また、共有の場所などのユティリティースペースは、ある程度のサイクルで少し変化をさせる事も必要かと思われます。
例えば、商品のディスプレイであったり、シーズンごとの季節を感じる花や緑であったり、手法はたくさんあると思います。
オフィスに少し変化を与え、集う人が何か新しさを感じるような、小さな事ですが、その事が、何かのきっかけや、アイデアのヒントになれば良いかと思います。




事務所デザイン.COM特集記事【人がクリエーション出来る空間へ】一方で、エントランスでは、その企業や会社としてのアイデェンティティーやブランド、コーポレートカラー等を品良くデザインし、展開する事が望ましいと言えるでしょう。ファーストインスピレーションは大事だと思います。
ひとつの企業の顔として、方向性や将来性等を感じられる空間を創れれば良いでしょう。
特に初めての来社の方にとっては、印象度はかなり変わります。
来社された方が、入口を入り、どのくらいの位置に受付をレイアウトするか、ふと目をとめた先に、その企業のビジュアルがあったり、洒落たウェイティグチェアが置いてあったり、ホスピタリティを重視したスペースが求められると思います。


個がクリエーションし、廻りがそれを昇華させるコトが出来れば、
新しいひとつのビジネスが生まれるかも知れません。


創造する力を育む環境、人が集い新しいモノが生まれる場所
オフィスのひとつのカタチかと、



事務所デザイン.COM特集記事【人がクリエーション出来る空間へ】  スピック有限会社
  代表取締役 高橋 繁
  業態:企画、デザイン、設計
  住所:東京都渋谷区神宮前4-18-11 サンクレスト原宿 101