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株式会社オフィスマネジメントシステムの特集記事

第24回 【オフィスにデザイン性を】 株式会社オフィスマネジメントシステム デザイン室 山本明文
ワークスタイルの変化
1958年にヨーロッパでオフィスランドスケープというまったく新しいオフィスプランニングの手法が提唱されました。その内容は、ワーカーの知的生産性を高める為に組織や個人間のコミュニケーションや情報の流れを分析し、オープン化した空間の中でプライバシーが確保できるようなレイアウトを構築するというもの。
それによって期待できる効果は
 ・作業効率の改善
 ・スペースの有効活用
 ・組織変化への柔軟性
 ・ワーカーのモチベーションやロイヤリティーの向上
が図れることとしています。50年も前の話になります。

一方、その当時の日本の標準的なオフィスは、島型対向式のデスク配置により組織ごとに島で分けられ、狭い空間にいかに効率よく人を詰め込むかが経営者の規範となっていました。
事務所デザイン.COM特集記事【オフィスにデザイン性を】その後、日本のオフィスは欧米のスタイルを模写し、様々な変遷を遂げ近年50年前のヨーロッパのオフィスランドスケープと同じ効果を求めて新たなワークスタイルを模索しています。さらに、ITからICTへと技術は進化し私達の生活シーンは大きく変わりました。またその技術の進化はオフィスのワークスタイルにも様々な変化をもたらしております。
組織や島という固定的な概念から徐々に開放され、ナレッジワーカーの働く場として、よりフレキシブルな機能を備えたオープンオフィスに変わりつつあります。
それはオフィス全体を可視化することにより円滑なコミュニケーションを計ることが可能となり、また間仕切りを無くすことで空調や照明の効率も良くなります。しかしながら、このようなオープンオフィスでは集中とリラックスといった仕事のリズムに対応し、ワーカーの精神的なケアにも十分な配慮が必要となります。これはオフィスデザインをする上で最も重要な課題と言えます。


コミュニケーションとプライバシー
事務所デザイン.COM特集記事【オフィスにデザイン性を】オープンオフィスでは回りにいるワーカーとのフランクな会話によりフォーマルな会議では出来ないような情報の交換や共有がしやすくなります。また、少し離れた人とはノンバーバルなコミュニケーションにより、リラックスしたり、時にはコミカルな関係が形成されたり、コピーをしながら、或いはコーヒーブレイクしながらのインフォーマルな会話の中からアイデアが生まれたりします。
しかし、このような常時360度のオープンな環境は、やがて精神的な苦痛となり、仕事の効率は低下していきます。また、電話の音やワーカー同士の会話など様々な騒音の中での集中作業はストレスの原因となります。
事務所デザイン.COM特集記事【オフィスにデザイン性を】前述のように、個人差はありますが、人間は常に集中とリラックスを繰り返して生活しており、オフィスにおいても全く同じことが言えます。オープンオフィスではこの2極のシーンに対して最適な環境を用意する必要があります。
たとえば集中作業ブースや窓際に面した作業スペースまたリフレッシュコーナーやリラクゼーションコーナー、ライブラリーコーナーなどが考えられます。これらの中からワーカーはその日の作業に適したスペースを選択し集中して作業することが可能となります。
そしてこの各スペースをより機能させるために最適なスペース取り、椅子、テーブル、デスクなどの什器の選択とレイアウト、視覚的な効果をもたらす照明計画や色彩計画等の様々な角度からデザインが検討されます。


ドキュメントの視点から見るワークスペース
オフィスをデザインする上で経営的視点からの検討は不可避です。それはオフィス環境の整備が、単にコストではなく投資として位置付けられているからに他なりません。
事務所デザイン.COM特集記事【オフィスにデザイン性を】この投資資産であるオフィスを阻害する要因の一つにドキュメント(文書)があります。デスクの上、キャビネットの中、倉庫、足元、通路と高価なスペースコストを払うオフィスをアメーバーのように侵食し、本来ワーカーのために整備されなくてはならないワークスペースが劣悪化しているケースが多々あります。オフィスにある文書のうち30%は年に一度も見ない文書で、コストの安い外部倉庫に移管可能、20%は不要文書として廃棄可能な文書という統計があります。このデータのように文書を半減させることができれば、キャビネットも倉庫スペースも減り、その分ワークスペースとして有効活用が可能となります。そのためにはレコードマネージメントシステム(文書管理システム)を見直し、文書の発生から保管、保存、廃棄(溶解処理)に至るライフサイクルの管理を徹底しなければなりません。
事務所デザイン.COM特集記事【オフィスにデザイン性を】オフィスを構築するうえで、文書管理、特に保存文書、不要文書の整備を無視して行うことはスペースコストやキャビネット什器に無駄な投資をすることになります。また、このライフサイクルを確立することは「エコ」へ取り組む企業として、企業価値を高めるための質的投資につながるものと考えます。




OMSの考えるオフィスデザイン
理想的なオフィス環境を創る意思は、お客様である経営者自身が持たなければなりません。我々の仕事はその意思を実現させる為に様々な思考をめぐらし、ご提案することです。
「知識創造の場」であるオフィス空間のデザインは視覚や聴覚などワーカーが体感する全てをモチベーションに変えて作業効率を上げることで、企業が発展するためのお手伝いをすることだと考えます。また、前述の文書管理のように投資を伴わない作業によるスペースセービングやコストセービング、廃棄文書の溶解処理によるリサイクル活動、空調や照明の効率的な運用によるCO2削減の推進などエコロジカルな対応も重要なファクターと考えます。
事務所デザイン.COM特集記事【オフィスにデザイン性を】株式会社オフィスマネジメントシステム
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