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第27回 【「Net'n'Nest」のすすめ】 株式会社インターオフィス 梅秀行
事務所デザイン.COM特集記事【「Net'n'Nest」のすすめ】【「Net'n'Nest」のすすめ】

Net'n'Nest ネッツンネストと読みます。
聞き慣れない言葉ですが、オフィスをデザインしていくうえでとても大事なキーワードになります。
これからのオフィスは、経営戦略においても重要なファクターとなっており、単に仕事をする場という認識ではなく生活の一部として捉えなければならないのです。オフィスを見れば、良くも悪くも、企業そのものが見えてきます。そこで大事なのは「Net'n'Nest」という考え方。どの企業も良い成長を望んでいるのです。それでは、その大事なキーワード「Net'n'Nest」についてお話しします。


vitra11.jpgまずはその背景から・・・
60年代に生まれた“オープンオフィス”や“未来オフィス”の構想はすばらしいものでしたが、それらは失敗する運命にありました。
なぜなら、個人に対するプライバシーの重要性を見落としていたからです。それでも、“オープンオフィス”というコンセプトは、上下関係を助長するようなアプローチよりは良かったと言えます。(現在でもまだまだ見受けられますが・・)オープンになったスペースではオフィス内のコミュニケーションは活発化し部署間でのチームワークも強化されるようになりました。また、知識管理における重要性が認識されるようになり、ITや通信技術の向上により業務は効率的かつ正確に行われ、企業間におけるネットワークも促進されるようになりました。そこで、Ypsilon.jpg仕事を行ううえで欠かせないネットワークをここでは“Netting”(ネッティング)と呼びます。一方、生活における人々の仕事の占める割合は増える傾向にあり、プライベートよりもオフィスで過ごす時間が長くなってきました。仕事の成果主義は強くなり、人々は仕事に対して一層の意欲や努力を求められ、それをプレッシャーと感じる人が増加傾向にあります。厳しすぎる規制や官僚的な規則のもとでは、個人の能力は伸びるものではありません。そこで、プライバシーが守られる場所に対する欲求や“Netting”の環境からときどき離れたいという欲求を持つことをここでは“Nesting”(ネスティング)と呼びます。

このような背景があるからこそ、今日のオフィスづくりには、これまでの構想とは全く違った革新的なアプローチが求められています。
今日のオフィスには、秩序と乱雑さ、シンプルと複雑さが同時に必要なのです。オープンなスペースを基本としながらも、人から離れた場所でリラックスや集中、人に聞かれたくない会話等、息抜きができなくてはならないのです。
Ypsilon.jpgつまり“Netting”と“Nesting”の両方ある状況を「Net'n'Nest」と呼びます。ではどうすればこの「Net'n'Nest」を実現出来るのでしょうか?すべての現実は、人と人との関わりの上に成り立っており、個人がどう考えるかに左右されます。人々が協調しあって仕事をしていくためには、皆が気軽に会話をできてきちんと知識を共有できる環境を作っていく必要があります。そのためには、相互理解と信頼が欠かすことができません。人に邪魔されずに集中して仕事をしたり、電話や議論により、同僚の仕事の邪魔にならないようにしたり、一人でゆっくり考えたりするための、その場から(人から)離れられる空間を持つべきなのです。会話から離れることは、人に安心感や開放感を与えます。そうすることでチームの人々は常に自分を見直し、さまざまなアイデアの共有や基準の統一化、業務の改善を通して「正しいこと」を実行していけるのです。マネージャー、デザイナー、チームメンバー、ネットワーカー、フィニッシャー(仕上げをする人)などは、これまでのように対立するのではなく、協調してより過酷になる競争に立ち向かっていくことができます。では実際 “Nesting” に対する欲求に、どの程度応えることが出来るのでしょうか? Ypsilon.jpg
それには2つの前提条件があります。1つ目は、人と人の物理的な距離が離れること。つまり、人から邪魔されずに仕事ができたり、リラックスできたり、プライベートなミーティングができたり、会話や電話の声が人に聞かれないことです。そのためには、目に見える仕切りにより、音も遮断しなければなりません。2つ目は、“Nesting”を具現化すること。“Nesting”が、会社においてプロジェクトでのチームワークと同じくらいに重要だというメッセージを、そこで働く人たちに伝えるために、家具を設置することによって具現化します。そこで設置された家具は、集団よりも個人、仕事の効率よりも快適さ、人と同じであることよりも個性が大事である、ということを伝えます。ところが通常の家具メーカーは、オフィスユースか、ホームユースか、どちらかに偏っている場合が多く具現することが難しいのです。ですが、ヴィトラ社(vitra:弊社取扱主力ブランド)の研究開発はどちらも同様に重要であると考え、美しさや快適性を追求する専門性を、オフィス家具にも発揮してきました。確かな素材選びから、エンジニアリングの経験、人間工学などに基づき、「Net'n'Nest」オフィスを作るのに最適な技術を手に入れたのです。Ypsilon.jpgつまり、「Net'n'Nest」オフィスでは快適さや遊び心が重要であり、ただ見た目の美しさだけを実現しているのではありません。“Netting”と“Nesting”は矛盾するようであり、相互補完の関係にあるのです。一方がなければ、もう一方は存在しません。従業員たちは仕事の中で、コミュニケーションとチームワーク、集中できる環境と人から離れること、それぞれがあって始めて快適さを感じ、相互理解を促進することができるのです。正しいことを、正しいときに、正しい場所で、できるからこそ、仕事に対する意欲が持てるのです。これこそが成果と効率性の追求であり、高い費用対効果が期待出来るコンセプトなのです。「Net'n'Nest」オフィスは、従業員のモチベーションを高め、生産効率を上げ、企業の成長をサポートします。企業にとっても、そこで働く従業員にとっても、理想的な環境そのものなのです。
事務所デザイン.COM特集記事【最小のコストで不況を乗り切るオフィスの在り方】
株式会社 インターオフィス
代表取締役:原田 孝行
業態:デザイン・設計・施工・輸入家具販売
住所:東京都港区南青山2-24-11 フォーラムビルディング
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