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株式会社エフエム・ソリューションの特集記事

第3回 【オフィスデザインと最近の傾向】 株式会社エフエム・ソリューション 宮武洋
事務所デザイン.COM特集記事【オフィスデザインと最近の傾向】●オフィスデザインとは
私たちの会社はオフィスづくりのコンサルティングや新築・移転の際のプロジェクトマネジメントなどオフィス構築に関して様々なお手伝いをさせて頂いています。そういった業務の中にはオフィスをデザインするというパートもあり、私は多くのオフィスを手がけてきました。


ところでオフィスにおけるデザインとは何でしょうか?
受付や応接室といった空間ではインテリアの演出が比較的重要で、デザイナーの手腕が発揮できるでしょう。しかし、従業員が働く空間である執務室や会議室は機能重視であり、インテリアの演出はあまり期待されていません。また、多くの従業員が違和感を感じないように、個性的なデザインにしにくいという事もあります。
オフィスデザインと言うと普通のデザイナーの方にはピンとこないかもしれません。事務用家具(机や椅子や収納)を配置(レイアウト)したり、製品を選定する事といってしまえばそれまでです。しかし、そこには多くの従業員が長時間働いており、その環境の快適性や働きやすさがあまり深く考えられずにデザインされるというのは大変不幸なことです。労働環境(ファシリティ)の最適化はオフィスの有効性を高める重要な手段とも言われており、労働環境を最適化する一つのパートとしてオフィスデザインがあるのです。

●最近のオフィスの傾向
オフィスの執務室と言えば机が均等にずらっと並んだ姿を想像されるでしょう。しかし、最近では情報通信技術の発展などによりその姿は変わりつつあります。ここからそのいくつかの事例をご紹介します。
従来であれば一人一台机があって、従業員は決められた席(自席)で働くのが当たり前でした。しかし、最近はどの席でも働けるという「フリーアドレス方式」が増えてきました。(写真1)従業員は出社すると、必要な書類や道具(PCや文具)を自分のロッカーから出し、好きな席で働けるというものです。もちろん会社を出る時はそれらは全て片付けますので、執務室の美観は綺麗なまま保たれます。「Aさんに相談しながら仕事がしたい。」という時はAさんの側で、「集中して働きたい」という時は周りに人が少ない席(写真2)で働くなど、業務に併せた働き方が選べます。また、フリーアドレスは従業員の在席率(従業員がオフィスに居る割合)によっては全員の席数は必要なくなり、スペースを少なく出来るというメリットもあります。但し、このスタイルを実現させる為には各従業員が自分の私物や書類をたくさん抱え、大きなパソコン(デスクトップ)を持ち、席に固定された電話をあてがわれていたのでは成り立ちません。「紙の削減→電子化」「無線LAN」「ノートPC」「携帯電話」など、フリーアドレスに見合った設備環境を整えなければなりません。
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●私たちのオフィス
私たちはもう何年も前からこのスタイルで働いていますが、もはや席に対する執着は無くなり、むしろ働く「場」を自分で自由に設定出来る方が「仕事をしやすい」と感じるようになりました。そうなるとオフィスは画一的ではなく、様々なシーン(場)(写真3〜6)があった方が面白いのです。昨年の秋、こういった考えを取り入れ私たちのオフィスは同じフリーアドレスでも「机」があまり見られない執務室に改装しました。「開放的な場」「こもる場」「ディスカッションする場」「くつろぐ場」、こういった様々なシーンを混ぜながらもデザインでバランスをとり、複雑さと統一感の融合された演出が施されています。
このオフィスのキーワードは「JAM SESSION」。「プロとしての個性が集まり、その中での一定のルールを守り、ぶつかり合いながらも独創的なリズムとハーモニーを奏でたい。」という仕事への取組みの象徴としており、それをオフィスにも表現しています。
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会社 : 株式会社エフエム・ソリューション
住所 : 東京都千代田区永田町2-14-2山王グランドビル3階
担当者 : 宮武洋
業種・業態 : デザイン・設計・施工