油断しがち!?夏から秋にかけての「秋バテ」対策

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夏から秋に代わり急に涼しくなる初秋は、季節の変化に身体が対応しきれず、体調不良に陥りがち。この時期特有の疲れや不調、いわゆる「秋バテ」を引きずったまま冬へ突入すると、慢性疲労につながりかねないため、今からしっかりとしたケアを意識したい。今回は、この「秋バテ」について、その原因と対策を考えていこう。

 

そもそも季節の変わり目に体調を崩す原因とは

季節の変わり目に体調を崩す大きな要因の一つに、気温の変化が挙げられる。特に夏から秋にかけては、日中は半袖で過ごせるほど気温が高い一方、夜になると羽織ものが欲しくなるほど冷える日も。日中の気温も日によって異なるため、その気温差に身体が対応しきれず体調不良に陥りやすいのだ。
また、気圧の変化も要因の一つ。初秋には雨の日が多く、さらに台風の襲来によって気圧も乱れやすくなる。これに伴い、頭痛やめまい等、さまざまな体調不良に見舞われがちだ。

さらに、夏の生活習慣からなかなか抜け出せないことも要因として考えられよう。特に初秋は、夏気分が抜け切れず、肌寒い日でも冷えた飲み物や食べ物を摂取したり、夜でも薄着のまま出歩いたりと、夏と同じような生活習慣を続けてしまう人もいるかもしれない。体温が1℃低下すると、免疫力は30%低下するといわれ、この免疫力の低下が体調不良を引き起こす原因となるのである。

(参考文献:沢井製薬 サワイ健康推進課「季節の変わり目は体調の変化に注意!」 / 山田養蜂場 みつばち健康科学研究所

 

これだけは気を付けたい!5つの「秋バテ」対策

暑さが和らぎ、これからが行楽シーズン本番。せっかくの季節に体調不良を引き起こさないためにも、気を付けたい5つのポイントを紹介していく。

①タンパク質とビタミンを意識したバランスのよい食事

食欲がわかないほど蒸し暑い季節は、冷たいアイスクリームやジュースなど、口にするものが甘いものに偏りがち。のど越しの良いそうめんやラーメン、パスタといった麺類ばかり食べ続けてしまうという人も多いかもしれない。しかし、このような糖質に偏った食事をとり続けると、代謝が滞り、いつまでも疲労感や脱力感が抜けきらない状態になってしまうことも。意識したいのは、肉や魚などのタンパク質や、野菜や果物などのビタミンを積極的に摂ること。また、食欲が低下しているときこそ、少量ずつでも栄養バランスの良い食事を意識し、食事を抜くことのないよう気を付けたい。もし食事を抜いた場合、次に空腹が訪れた際に必要以上に食べ過ぎてしまい、すでに自律神経の乱れで弱っている胃腸をさらに酷使してしまうことになりかねないからだ。外食を控えて自炊することは、お金にも健康にもいいだろう。仕事や育児で忙しい人も、ネットスーパー等を使って野菜や肉などの生鮮食品を家に届けてもらい、スマート家電を駆使して台所に立つ時間を短くするなど、工夫したいものである。

幸いなことに、秋は体調や体力を取り戻すのに最適な食材が豊富に出そろう季節。ビタミンや食物繊維をたっぷり含んだキノコ類、弱った胃腸や便秘の改善にも有効なさつまいもなど、おいしくて栄養たっぷりの食べ物が目白押しだ。そもそも旬の食材には、私たちが本来備えている治癒力や調整機能を助けるはたらきがあるといわれている。旬の食材を食べることは、味覚の面だけでなく、健康面からも理にかなっているといえそうだ。

(参考文献:今村病院健康管理センター / 介護ポストセブン

 

②身体を冷やさない

天気予報の気温を見て出かけても、夜になると急激に冷え込むことが多いこの季節。まだ日中はオフィスなどの室内でも冷房を使用する日が多くあるため、自分の体調に合わせて温度を調節できるよう、カーディガンやひざ掛けなどで対策することも大切だ。

 

③37〜39℃のお湯でゆっくりと入浴する

夏に冷たい食べ物ばかり食べていたり、連日エアコンの下で過ごしていたりすると、1日の終わりには身体が冷えきっていることが多い。お風呂に入る際、暑い夏は簡単にシャワーのみで済ませてしまいがちだが、その習慣を秋になっても続けてしまう人は案外多いのではないだろうか?1日の疲れをしっかりとり、リラックスして眠りにつきやすくするためには、37〜39℃のお湯での入浴が推奨されている。この温度は、冷房によって冷えてしまった身体を温め、体力や胃腸の回復を助けてくれるのに最適とされる。また、入浴後にストレッチをすると血行がよくなり、体調の回復が期待できそうだ。まだまだ暑さが残る時期にこそ、身体を内側から温め、冬に向けて体調面の準備を整えたいものである。

(参考文献:今村病院健康管理センター

 

④無理なく運動を取り入れる

オフィスなどの冷房の効いた部屋で長時間座りっぱなしで作業していると、血行が悪くなり、肩や首が凝り、疲れやすくなる。そうしたときに軽い運動を取り入れると、脳内で身体を活性化させるホルモンが分泌されるといわれており、実際、軽い運動ですっきりしたという経験のある人も多いだろう。スポーツジムなどでしっかり運動することが難しければ、朝夕の涼しい時間帯にウォーキングや軽い運動などをして、適度に汗をかくのも良いかもしれない。1日の歩数目標を決めて、スマートウォッチやスマホの歩数カウント機能を使い、歩数をチェックするのもおすすめだ。ちなみに、厚生労働省が推進している「健康日本21」によると、歩数目標は男性9,200歩、女性8,300歩とされている。

(参考文献:今村病院健康管理センター / 「1日1万歩」が良いと言われる根拠は? メタボ改善に必要な歩数が判明  / 厚生労働省「健康日本21」

 

⑤睡眠の質を上げる

初秋は、季節の変わり目で自律神経も乱れやすく、よく眠れない、寝付きが悪いという人も多いのではないだろうか。なかには気圧の変化で眠れないという人もいるだろう。暑さが和らいできたら、就寝時はできるだけ冷房を使わず、風通しの良いパジャマや冷却機能のついたシーツなどで寝苦しさを解消するのも手だ。理想の睡眠時間は7〜8時間といわれており、それより短くても長くても寿命が縮まるというデータも。毎日睡眠時間を確保するのは難しいという人でも、週に3日は7時間程度の睡眠を確保できるよう調整したいもの。睡眠時間を計測できるアプリやスマートウォッチを利用し、睡眠ログをつけて睡眠の質を改善するのも良いだろう。

(参考文献:良い睡眠で快適生活 睡眠と体のリズム

 

 

20〜30代にピークを迎え、その後年齢とともに低下していくといわれる免疫力。特に季節の変わり目は免疫力が低下しやすく、身体に異常が生じやすくなるのも当然といえよう。「疲れているときほど風邪を引きやすい」とは、昔からよく言ったもの。体温を1℃上げると免疫力は6倍に上がるというデータもあるので、とにかく身体を冷やさないよう、食べるものや身に付けるものを中心に、生活習慣から見直していきたい。上に挙げた5つのポイントに留意しながら、この季節を「秋バテ」とは無縁で元気に過ごしたいものである。

(参考文献:大塚製薬 免疫低下の理由 / ベネッセ「サンキュ!」:免疫力は「体温」がカギ!温活で理想の体温を目指そう!

 

 

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