オフィスの移転には長期の計画が必須。新オフィスのデザイン、工事、引っ越しだけでなく、契約先への住所変更のお知らせや社員への配慮、原状回復工事などたくさんの工程が必要になる。今回はオフィス移転がどのように行われるのか整理していく。
まず、オフィスの移転をする際にははじめに前もってオーナーやビル会社に解約予告をする必要がある。したがって、あらかじめオフィスの解約、退去に関する取り決めを確認しておきべきである。一般的には解約希望日の3カ月または半年以上前に予告することが多い。正式な解約予告の通知は、移転するオフィスが決定してから提出する場合ががほとんどである。解約には2つのパターンがあり、契約期間終了の際の移転の場合と中途解約による移転の場合によって取り決めが大きく変わるので注意すべきだ。
まず何のために移転をするかを明確化しておくべきだ。この目的により移転先も絞られてくるだろう。社員へのヒアリングをするのがおすすめである。
具体的には、固定費の削減、業務効率の向上、業務の拡大、企業イメージの向上、オフィス環境の改善、戦略的拠点造、ワークスタイルの変化への対応、周辺環境の変化への対応などがある。
オフィスを移転する際に現在のオフィスを元通りに戻す必要がある。契約予告期間を確認する際に一緒に原状回復の期間、条件を方法について聞いておくべきである。
内装全部から設備関係に到るまで入居時同様の戻すのが基本。基本料金はテナント側が払ってくれる場合もあり、さらに原状回復の業者が指定されていることもある。
移転する際に重視する条件と各条件の優先順位を決定しておくべきである。立地、設備、コストの3側面から考える。
幅広く、密度の濃い情報を得るためにも信頼のビル仲介会社に依頼するのがよいだろう。下見をしつつ決定をするべきだ。
希望する物件が見つかったら入居申込書を提出し、審査を受ける。約1週間後に返事が返ってくる。許可が出たら、敷金や保証金、賃料、共益費・管理費に何が含まれるか、設備の利用方法、工事のルールの確認を行う。
申し込みの許可が出たら、契約書の作成をし、契約日までに保証金の金額の入金処理を行う。
契約時には、会社実印、会社の印鑑証明、代表者の印鑑証明書、会社の登記簿謄本、補償金、前払い賃料、共益金を持参すべき。また、保証金や前払い賃料、共益費を手付金(予約金)として振込入金した場合は、領収書を持参する。
移転日の決定を含め、スケジュール作成を行う。
トータルサポートをしてくれるコンサルティング業者に依頼するのが得策だ。。コスト、労力、時間のどれに重きを置くかで選定するとよいだろう。満足度やOA機器の使用状況などの現状調査をした上でよりよいオフィスを作り、以下の項目をチェックするとよい。
デザインや、工事業社選択で重視することによって変わってくる。コスト重視、納期重視などを決めた上で選定をすべきだ。
オフィスの引っ越しは機密情報も多いので、引っ越し業社は慎重に選ぶべきである。次のようなポイントで引っ越し業社を選ぶといいかもしれない。
総務部だけでなく、移転の6ヶ月前に社内にプロジェクトチームを結成するべきである。移転チームの構成メンバーは、少なくとも、ビル移転総責任者、PR責任者、書類責任者、設備・備品責任者、庶務責任者が必要である。
以下の工事がそれぞれ必要となる。
各会社に依頼し、日程を調整し、工事を行うべきである。
移転マニュアルとは社員に移転に関することの情報共有のために用いる。移転マニュアルには、移転の目的はもちろん、移転スケジュール、新ビルの所在地(地図・交通機関)、各フロアレイアウトと設備、食堂・会議室などの共通設備、電話系統略図、荷造りについて、クライアント対応などを掲載し、トラブルが起きないように情報共有をしておくことが大切となる。マニュアルを作成し、事前に配布した上で、オフィス移転説明会を実施するべきである。
引っ越し後に出てきた廃棄物の処理の費用は自己負担となる。廃棄証明書の発行は忘れないこと。電話のみ早めに工事をしておくのがよいだろう。
移転後に様々な機関にむけて届け出を提出する必要がある。
旧オフィスの契約時の条件に従い、原状回復工事を行う。
今回はオフィス移転における長期に渡った大まかなスケジュールを紹介した。オフィス移転を考えたときにまずはどんなことをすべきなのか、これを参考に今後のスケジュールを立てるのが良いだろう。