近年、需要が高まりつつある貸し会議室。その背景には、都心などでは事務所を維持するコストが高く、オフィスの面積を削減する企業が増えていることが考えられる。また、フリーランスといった特定のオフィスを持たない働き方の増加なども影響しているようだ。ここでは、そのようなトレンドの中で最近の貸し会議室のトレンドと、そのメリットを紹介していきたい。
時間単位で借りることができる個室の会議室のことを「貸し会議室」という。企業はもちろん、個人でも借りることのできるシンプルな空間で、用途やレイアウトなどの自由度も高い。会議や打ち合わせ、面接といった目的での利用が多いが、最近ではフリーランスで働く方がワークスペースとして利用するケースもあるという。
ここでは、こうした貸し会議室のメリットについて見ていこう。
一般的に、貸し会議室を提供している施設では、様々な広さの会議室を保有していることが多い。大人数の会議だけではなく、小規模の企業研修やセミナー、個人のワークスペースとしてなど、利用人数や用途に応じて適した広さの会議室を借りることができるのだ。
外の雑音をシャットアウトしてくれるため、集中して作業に取り組みたい時にも有効。また、イスやテーブルなどのレイアウトを目的に合わせて変えられるのも、貸し会議室の良さといえるだろう。なお、レイアウト変更は、利用者が自分で行う場合は無料であることが多い。
多くの貸し会議室は、ターミナル駅やオフィス街周辺など交通の便が良い場所に位置している。そのため、たとえば研修やセミナー、イベント等で利用する際に、遠方から来る人にも便利で分かりやすく、企業側にとってもスムーズに人を集めやすいという利点がある。土地勘のない人や忙しいビジネスマンにとって、アクセスの良さは大事なポイントではないだろうか。
また、最近では長期の研修用として、宿泊可能な貸し会議室もあるという。ホテルと同等のサービスが期待でき、非日常の空間でリフレッシュしながら会議や研修に臨めるのだそう。
貸し会議室には、会議用の設備が充実しているところが多い。文房具やホワイトボード、プロジェクターやスクリーンなどの備品に加えて、TV会議システムやWi-Fiなどのネット環境も整えられているところも増えている。新たに設備を購入しなくても、必要な時だけ必要な設備のある貸し会議室を利用することで、コストの削減が期待できるだろう。
最近増えているのは、ケータリングサービスが充実した貸し会議室だ。会議などが長丁場になる場合は、お弁当や喫茶サービスの手配などのオプションサービスが充実した貸し会議室が便利。参加者のモチベーション向上にも一役買ってくれることだろう。
また、専属のコンシェルジュが常駐している貸し会議室もある。事前にコンシェルジュと打ち合わせをしておけば、レイアウトからケータリングまですべてをコーディネートしてくれるといったサービスも。ただし飲食に関しては、持ち込み料や清掃料といった別料金がかかる場合があるため、事前の確認はしっかりとしておきたい。
ここまでは、主に企業にとってのメリットを中心に紹介してきたが、ここからはフリーランスで働く方にとってのメリットについて見ていきたい。
フリーランスの方は、クライアントとの打ち合わせ場所に困ったことはないだろうか。カフェなどでも打ち合わせは可能だが、情報漏えいの観点からもあまり好ましいとはいえないだろう。よりプライベートな空間が必要となる場合に便利なのが、貸し会議室なのである。先述のとおり必要な設備が充実しているため、プロジェクターなどを使ってより幅のある打ち合わせが可能となる。密室の場合周りに話が漏れる心配がなく、クライアントへ与える安心感や信頼度も高まるだろう。また、貸し会議室を利用した交流会や勉強会などを開催して、人脈づくりやスキルアップにつなげるといった使い方も考えられる。居心地や使い勝手の良い”行きつけ”の貸し会議室をいくつか見つけておけば、急な打ち合わせの際にも慌てずに対応できるので安心だ。
借りたい時に借りたい場所で、用途に合わせて利用できる貸し会議室。便利で誰もが利用しやすい反面、利用規約の見落としによるトラブルも少なくないだろう。さらに利用頻度によっては、かえってコストがかかってしまうことも考えられるだろう。このような点に注意しながら、今回紹介したメリットを参考に、使用人数や目的、内容に合わせた貸し会議室の有意義な使い方について検討してみてはいかがだろうか。