ここ数年、オフィスに食品を設置する「置き食品」サービスが広がっている。古くは富山の置き薬で見られたビジネスモデルと同様で、使った分だけ課金され、24時間食べたい時に手に取ることができる無人販売サービスである。お菓子や惣菜など様々な種類が存在し、災害時の備えとしてや、社員の福利厚生を充実させるとして注目を集めているサービスだ。今回はそのサービスの中でも、オフィスで手軽に食べることができ、仕事が捗るお菓子サービスについて紹介していく。
オフィスグリコは江崎グリコ株式会社が提供するオフィス配置型の従業員向けお菓子販売サービス。
オフィスグリコのサービススタッフが定期的にオフィスを訪問し、代金の回収や商品の補充・賞味期限管理等を行う。オフィスの従業員が各自で利用したい時に、ボックスや冷凍冷蔵庫から商品を取り出し、代金を備え付けの貯金箱に投入してもらうシステムとなっている。ボックス、冷蔵庫の設置費用は不要で、盗難、紛失などによる金銭的補償も求められないため、安心して利用することができる。リフレッシュしたい時、仕事がひと段落したい時、残業の時など、利用することで仕事の効率化にもつながり、また社内のコミュニケーションにもつながる。
オフィスグリコのサービスの中には様々な種類のものが存在する。一般的なリフレッシュボックスは、職場で選べるコンパクトなお菓子箱で、1ボックスに10種類程度24個のお菓子が設置されている。1個100円で販売しており、B5サイズのコンパクトなボックスなので、仕事場の邪魔にもならずに利用することができる。20名以上の職場には、飲料・アイスを組み合わせた三温度タイプの冷凍冷蔵庫もある。自販機には取り扱いがないアイス、野菜ジュース、栄養ドリンクなども設置されている。ガムだけを並べたガムスタンドや100円ではなく150円、200円のお菓子を集めたボックス、カップラーメンのボックスもある。
はい!おやつClubはオフィスに届くお菓子の定期宅配サービス。
ただの宅配サービスではなく、オフィスに毎月お菓子を配達し、オフィスに「おやつの時間」を作ることで、社内のコミュニケーションを活性化させるサービスである。このサービスの特徴としては、毎月届くお菓子の詰め合わせには、コンビニなどの市場ではあまり出回らない珍しい全国の提携メーカーから厳選されたお菓子とともに、ありがとうの気持ちを伝えられるスマイルカードが同梱されている。仕事の合間に「おやつの時間」を設け、雰囲気を明るくすると同時に、社内でありがとうを伝える機会を定期的に増やすことで、オフィスの良い雰囲気作りに貢献している。1ボックスあたり5000円で利用することができ、毎月全国の異なるテーマで厳選されたお菓子を提供している。
ミニカフェは外へ出ることなく、オフィスですぐに飲み物や軽食をお買い求めいただけるサービス。
コンビニは近くにあるが、エレベーターでの移動などを考えると休憩時間がもったいないと思っている方や社内の自動販売機が高くて買えないという方に向けて提供しているサービスだ。休憩スペースやリフレッシュ空間を提供し、ワークライフバランスを推奨していることも特徴的。一般の自動販売機の半分以下の大きさの小型専用冷蔵庫で500mlのペットボトルが57本も入る。そのため場所の節約にもなり、自動販売機が大きくてスペースを取られているという悩みも解消できる。コストとしてかかるのも一般の冷蔵庫の10分の1の1日30円の電気代のみで、導入費、月額料、レンタル費もかからない。集金方法も冷蔵庫の上にある集金箱に入れるだけで、飲みたい時、食べたい時に簡単に買うことができる。商品のラインナップも充実しており、50円のミネラルウォーターから100円、110円のペットボトル飲料など手頃な価格で豊富な商品が揃っている。このように省スペース、低コストで設置することができ、低価格で商品を簡単に気軽に購入することが可能なサービスとなっている。
オフィスコンビニ東京Eastはオフィスに飲料、お菓子のミニコンビニを無料設置できるサービス。
セルフ式自動販売機いわゆるミニコンビニを設置することで、暑い日や寒い日も外に出なくても良くなり、休憩時間をゆっくり利用でき、仕事の効率化につながる。ミニコンビニという名の通りに、飲み物、お菓子だけでなく、カップ麺なども充実している。この品揃えにもかかわらず、スペースはたったの50cm四方で、狭いスペースでも設置が可能となっている。ミニカフェ同様に設置費や月額費用は無料で、電気代も自動販売機に比べて大幅な節電ができるため、低コストでの設置ができる。それに加えて、お値打ちドリンクは60円から、人気なブランドの商品も100円からと手頃な価格で簡単に購入することができる。冷蔵庫はオフィスのインテリアを邪魔しないスッキリとしたデザインで、オフィスの雰囲気を壊さない。高さが必要な時に使う台もスウェーデンの大手インテリア企業であるIKEAの台を使うことでおしゃれに設置することができる。オフィスコンビニはユニセフのマンスリーサポートプログラムに参加しており、毎月定額をユニセフに送金することで社会にも貢献している。
Cubeshopは、置くだけでオフィスにコンビニがやって来る置き菓子サービス。
オフィスの中でお菓子・パン・カップ麺や、おつまみまで買えちゃう働くオトナに便利なサービスであり、お菓子以外の軽食サービスを導入したのは業界の中で一番最初だ。一つのメーカーのお菓子だけでなく、様々なメーカーのお菓子を用意し、また少し珍しい海外から輸入したお菓子までも揃っている。100円、110円、120円と商品によって選べるオリジナルプラン、どのお菓子を選んでも110円均一のスペシャルプラン、油で揚げてないヘルシーなドーナツが揃ってるデリシャスプランという主に3つのプランがある。また、昨年から表参道ヒルズに店舗を構えるアメリカの人気アイスブランド『ベン&ジェリーズ』のオフィス向けサービスも業界で初めて導入している。ドーナツやカップ麺といった軽食が入ったA4サイズのボックスや、机における程度の冷凍庫をオフィスに置き、ご利用頂いた分だけ貯金箱にお金を入れるという簡易的な自動販売のようなサービスであり、大きなスペースもいらない。また、設置費、撤退費、配送費は一切かからないため、気軽に設置することができる。
今回紹介したサービスは似ている部分もあるが、設置するボックスのサイズとお菓子の値段に若干の違いがある。実際の契約を考えた際は自分のオフィスに合っているものを選んでいきたい。
ボックス・小型冷蔵庫の大きさで見た時に、Cubeshopはお菓子のみであればA4サイズのボックスと一番コンパクトで、またオフィスコンビニも50cm四方と小さい。しかしグリコとミニカフェはそれと比べるとやや大きくなる。また価格面で見ていくと、オフィスコンビニは50円から、オフィスコンビニは60円から商品を展開している。
コストもスペースも抑えたい場合はトータルで見るとオフィスコンビニがおすすめである。おやつClubは、置き菓子とは異なり、オフィスへのお菓子配達サービスなので、送料とともに1ボックスたりで費用がかかり、箱で届くのでスペースも取ってしまうが、全国の珍しいお菓子とともにスマイルカードを送付することで差別化を図っているので、サイズと価格以外の魅力がある。
導入のコストはいずれもかからず、サービスによってはお試しキャンペーンなどもあるため、皆さんのオフィスにも是非導入してみてはどうだろうか。小腹がすいた際にお菓子を食べる、以外の副次的な効果が現れるかもしれない。